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Secrets

  • 2008/07/27(日) 01:08:18




ファウスト×ジゼル


自分の中で、
かなりの 政略結婚ブーム(落ち着けー!
かなりの自己満足で申し訳ない。





_______________________


柔らかな朝日の刺激にゆっくりと瞳を開ける。
鳥たちのさえずりが聞こえ、思わず小さく笑みがもれる。
起き上がろうとすると、するどい頭痛が走る。
体もだるく、すぐに横に戻る。

(熱が出たのかしら……)

熱が出るのは珍しくはない。微熱はいつもの事だが、長旅の所為で悪化したのかもしれない。
ついて早々寝込むわけには行かないと思い、もう一度起き上がろうとする。

「寝ていろ」

聞きなれた低い声に視線を横に這わせると、コップに水を入れている夫の姿が目に入った。
腕に力をいれて何とか上半身を起こす、頭が少しぼうっとする。
ファウストはベッドの脇に腰掛けると、飲めるか、と水を差し出す。
肩を支えられ、冷たいそれを口に含むと、ようやく自分が水分を求めていたことがわかる。

「何か食べれそうか?」

空のコップを受け取ると、ファウストがジゼルにそう聞く。
だがジゼルはゆっくりと首を横に振る。
予想した答えに、そうか、と言葉を返す。

「顔色が悪い。 気にせず寝ていろ、後で薬師を呼ぶ」
「でも……」
「熱がある。 これ以上悪くなったらどうする」

正論にジゼルは口を噤む。
ファウストは起き上がると、二人には私から説明をしておく、といって部屋を出て行ってしまう。
ファウストはジゼルに最低限しか触れない。
正確には子供を失ったあの時から、だ。

ジゼルにはアドリアーナに告げていない事があった。ファウストの行動の原因はそれがある。そしてそれはジゼルが望んだことだった。
そのことをあの聡明な従姉に話すのはまるで自分の暗部を見せるようで口に出しづらい。

今でもあの時のことを思い出す。

妊娠が分かった時、ジゼルはファウストに何も告げなかった。
周りの侍女や医者には自分からいうからと口止めをし、沈黙を守った。
まるで現実味がなかった上、自分に子供が埋めるのかと疑心暗鬼になっていた。
すぐに王の耳に入る事はわかっていたが、その前に子供が流れてしまったのだ。
突然の激痛と気を失い、目覚めた時には失われてしまった後だった。
実感も沸かぬうちに滑り落ちた命の重さに、亡くなってから気づいたのだ。
心のどこかでジゼルは諦めていたのだ、だからこそ王には何も告げなかった。
子が流れる事はそう珍しいことではないと薬師や侍女から言われたが、それでもそれはジゼルの心持や体の弱さの所為に思えてならない。

(……子供を正妃が生せなければ、側室を娶るのは当たり前だわ)

ファウストは、決して冷たいわけではない。
気遣ってくれた彼を突き放したのは自分だ。

『わたくしを、側室に降格してくださいませ。 正室は、ちゃんとした女性を選んでください』

起き上がれない寝床で、そう告げたときの彼の驚いたような瞳が忘れられない。
絞るような声で、正妃は貴女だ、とだけ告げると彼は部屋を出て行った。
それからすぐに隣国の従姉が駆けつけてくれたのだ。

(どの道、わたくしはあの方を置いて逝く……なまじ心を通わせるのはお互いにとって……辛い事)

諦める事の方が、望むよりも簡単だ。
ジゼルはそうやって生きてきた。

それをファウストにまで強要させた事を心苦しく思いながら、やっぱり従姉にはファウストは優しい言おう。
そう思いながら瞼を閉じた。



_________________

色々設定を考えながら書いているこの小説。たまってサイトにアップする際は色々変わっているかもしれません。たとえば本誌から単行本への修正、みたいな。
それにしても王二人の話し方が似通って、困る。一応ジェラールの方がくだけた感じで。ファウストのが事務的な感じ、なの?そうなの?

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